「あなたをすがらせたかった」

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「えー、っと……wait a minute」 単語が思い出せずスマホで調べてみようとジャケットの内側に手を入れた。 すると突然、男性はノーノーという大きな声を上げた。 え?と驚きながら顔を上げると、警備員の男性は威嚇するような瞳で私を捉え、そして手を掴んできた。 「come here」 「え?やっ、ちょっとなに?離して!Take your hands off me.」 そう必死に言うも通じているのかいないのか、男性はグイグイ私を引っ張りながらどこかへ連れて行こうとする。 やだ、どうしよ。もしかして警察につき出そうとかしてる? やめてよ。ここまできて会えないなんて。そんなの嫌。 「Please listen to me.」 話を聞いて、怪しい者じゃない!と、拙い英語で何度も繰り返した。でもダメ。全く見向きもしてくれない。
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