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始まりはなににせよ、守りたいものができたから陸も自分の立場を改めて考え直すことができたのだろう。
俺が佐和さんに背中を押されたように。
「ねぇ美月、蟹食いたくない?」
「え?陸、なによ急に」
「んー、星見てたら食べたくなった。北海道行かない?」
「え?北海道?行く行くー!」
「じゃあ今から行っちゃおうか」
「ラジャー!じゃ、渉。残りは全部食べちゃって!あと佐和さんと早いとこ仲直りするのよ!」
そう言って陸の突拍子もない提案になんの躊躇もなく着いて行く美月。俺はそんな二人の背中を見送ると、一人ワインを傾けた。
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