君の本音を引き出す方法~side by 渉~

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◇ 「おかえり……わ、渉」 この日。久しぶりに早く帰ってきた俺は、予期せぬことに思わず玄関先でバッグを落とした。 「お腹すいただしょ……だしょって、噛んじゃった」 この状況。あまりにも変だ。 だって少し離れたところから次々とそんな声が聞こえてくるのだから。 「おかえり、渉……違うな」 「渉、おかえり、お疲れ様」 ……なんなんだ、一体。 まさか練習してる?嘘だろ。 俺は趣味が悪いと思いながらも、その声がする寝室にこっそり近づき耳を預けた。
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