思い出

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黒髪にシンプルな服装。 切れ長の目元は一見冷たそうな印象を受けるが 向けられる笑みは優しいものだった。 「良かった、君は大丈夫そうだね。 でも隣の子は大丈夫かな?」 そう言って私の顔を覗きこんで来た人に 私の意識は戻された。 「!はっ、はい! だ、大丈夫…です。」 突然のことに慌てた私は 思いっきりどもってしまい 耳まで赤くするのだった。 きょとんとした表情を浮かべたその人は ふふっと小さく笑うと幼い子にするように 私の頭の上で小さく二度手を弾ませた。
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