思い出

8/40
前へ
/67ページ
次へ
「確かにあいつもいるけど大丈夫だよ。 何かあれば俺が助けてあげるから!」 まるで少女漫画に出てくる 王子様のような台詞と笑顔に 私は首を縦に振ることしかできなかった。 「じゃぁ、また明日な。」 そう言ってその人はその場を後にした。 その後を慌てて追うように しゃがみこんでいた先輩も立ち上がる。 私達はしばらくその場で 彼らの背中を見つめていた。 先に我に返った真由に引きずられるように 私達は帰路についた。 私がその人の名前を聞き忘れたことに気付いたのは 寝る直前のことだった。
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加