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とある夜の事である。
一介の学生である私は、二日後が締め切りのレポートと言う名の重責を、教授とも呼ばれる悪鬼羅刹に負わされ青息吐息の状態に陥っていた。
日付が変わらんとする時点で、遂に私の心が折れると共に、
「疲れた…もうイヤだ…」
とだけのたもうて前のめりに机の上に伏した。この姿勢はあくまで、坂本龍馬をリスペクトしての行動である事を主張したいのだが、周囲には誰もいない独りぼっちの夜である。別段淋しくは無い…と思う。客観的に自分を見つめなければの話ではあるが、その事には気付かぬ様これからも生きていきたい。
「…!」
不意に私の頭に天恵のごとき閃きが現出した。妖精だ!! 西欧の民話等で人が眠っている間に妖精さんが作業を代行してくれる話があるでわないか!
つまり、このまま眠ってしまっても問題無いじゃな~い。
───問題大有りであった。
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