第11話 謎の美人、迷探偵リーゼロッテと帽子屋・ワトスン

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「……ちょっと待っててくださいね!」 部屋へかけ戻る。少しして出てきた彼女は………。 「……おまえの趣味か?」 衣装を着替えたリーゼロッテ。 「……そうです。こんなときのために、お母さんにもらってきました!今から私は、『名探偵・リーゼロッテ』となります!」 赤ずきんの衣装をアレンジした衣装。赤ずきんを引いた人が、男性だったときのために用意された衣装だ。 ……ここだけの話、アリス衣装もあったらしい。 短パンにニーハイソックスとブーツ、スカートのヒラヒラは後ろに残す、凝ったもの。それが探偵に見えるかは、追及してはならない。 「いきますよ!ワトスンくん!」 ノリノリである。 「……なんで俺がワトスン?しかも、おまえじゃ迷探偵だ。」 明るくしていれば、大丈夫。ひとりではない。ひとり取り残されたら、どうにも出来なかっただろう。弱いまま、守られたままのか弱い女の子ではないのだ。……彼女には、この武器(め)がある。物理が利かないなら、直接魂ごと喰らえばいい。元人間だろうと、大切な人たちを奪うなら、こちらも覚悟の上だ。そう意気込み、歩き出そうとした瞬間、視界の先に人影が見えた。 「きゃぁ……!」 ビックリして、後退る。……しかし、その人影はこちらに来ようとはしない。怖い感じが全くしなかった。よくよく見ると、ある一方を指差していた。 「……俺たちをどこかに連れていきたいのか?」 いぶかしがる帽子屋。 「……あの人影からは、悪意を感じません。一か八かついて行ってみましょう。」 二人は警戒しながらも、指し示す方へと進んでいく。
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