14人が本棚に入れています
本棚に追加
「は~い!おかあちゃま!じゃ、おにいちゃま、おねえちゃま!こっちだよ~♪」
お人形を抱えた、お人形のように可愛らしい少女が誘う。
「……リーゼ、あのお人形何か変じゃない?」
皆に着いていきながら、小声で話し掛ける。リーゼロッテは首を傾げながら、少女の持つお人形をみた。
「お人形?…………………ローゼ、あなたの勘すごい。お人形、赤い涙の跡があるよ。」
小声で返すリーゼロッテの繋いだ手は、緊張で汗ばんでいた。リーゼロッテは敢えて言葉にしなかった。その人形こそが、行方不明者ではないかとは。
◆◇◆◇◆◇◆
「……お母様、今回は特別良さそうね。」
エリカが薄く微笑む。
「ええ、童話の衣装が何とも可愛らしい。質は今までより格段といいわ…。」
この会話が今後の彼らの運命を左右する。
魅惑の未亡人、車椅子の美少女、人形を抱き締める美少女。
彼女たちの目的は…………………。
最初のコメントを投稿しよう!