第8話 雷鳴と共に誘われて

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「は~い!おかあちゃま!じゃ、おにいちゃま、おねえちゃま!こっちだよ~♪」 お人形を抱えた、お人形のように可愛らしい少女が誘う。 「……リーゼ、あのお人形何か変じゃない?」 皆に着いていきながら、小声で話し掛ける。リーゼロッテは首を傾げながら、少女の持つお人形をみた。 「お人形?…………………ローゼ、あなたの勘すごい。お人形、赤い涙の跡があるよ。」 小声で返すリーゼロッテの繋いだ手は、緊張で汗ばんでいた。リーゼロッテは敢えて言葉にしなかった。その人形こそが、行方不明者ではないかとは。 ◆◇◆◇◆◇◆ 「……お母様、今回は特別良さそうね。」 エリカが薄く微笑む。 「ええ、童話の衣装が何とも可愛らしい。質は今までより格段といいわ…。」 この会話が今後の彼らの運命を左右する。 魅惑の未亡人、車椅子の美少女、人形を抱き締める美少女。 彼女たちの目的は…………………。
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