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「行ってきたら?私は大丈夫だから。」
リーゼロッテはあとで、この言葉を後悔することになる……。
三人を盾にするようなことなど、リーゼリアには出来ない。何だかんだで二人は大人だし、ムカつくがアリスはリーゼロッテを気に入っている。いざというときは、大丈夫だろう。
「……仕方ないわね。何して遊ぶの?遊びなんて知らないわよ?」
だが、忘れてはいけない。セリカの持つ人形が、赤い涙を流していたことを。誰よりも警戒心旺盛なローゼ。それが間違ったことはない。しかし、今回の相手はゴースト。勝手が違う。それが仇となるなんて、ローゼリアは思いもしない。
断る方が、子ども相手には不利だ。ゴーストなら尚更、手に負えない。仕方なしに承諾する。
セリカが嬉しそうに、ローゼリアの手を引いて誘う。
「こっちだよ!おねえちゃま、キレイね、ホントにキレイ♪」
まるで呪文のよう。
「そんなこと、言われなくてもわかっているわよ。今更よ。」
セリカの言葉の意味を、ローゼリアはすぐに理解することになる。
「ここだよ♪はいって!」
誘われるままに、入室する。……入るなり、ローゼリアは渋い顔をした。
━━部屋中、人形が並んでいる━━
ただの人形ならわからなかった。何かの思念を感じて、気持ち悪い。
「ね?お友達がいっぱいなの!」
この感じは、お友達なんて生易しいものじゃない。ついてくるんじゃなかったと思ってももう、遅かった。第六感まではあるとは思っていない。視覚以外の器官が総毛立つ感じ。……わかっていたはずだった。
━━バタン!
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