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部屋の扉が閉まる。予想はできたはずだ。リーゼを見ていると感じたのは、間違いだった。寄り添っていたローゼを見ていたと、今更気がついた。囮にはしたくなかったが、ローゼのやる気メーターはリーゼ。どんな手を使っても、助け出すつもりでいた。そう、それこそが間違っていた。最初から、判断を見誤っていたわけだ。
「……ねぇ、おねえちゃま?セリカとずっといて?」
空気が一変する。セリカのテリトリー、逃げ出すことは不可能。考えなくても、次の台詞は容易にわかる。でも、ここに来た誰もが言ったであろう言葉しか答えようがない。
「……悪いわね。それは出来ないわ。」
………更に空気が重くなる。
「ダメだよ、おねえちゃま。セリカといてくれなきゃ……。」
物理なら、ローゼリアに敵うものはいないだろう。しかし、ゴーストには物理が効かない。
「……ごめん、リーゼ。逆になっちゃったわ。あなたに危ないこと、させたくなかったのに。」
そこに強気なローゼリアはいなかった。
「言うこと聞いてくれないなら………。おねえちゃまも、お友達になってもらうよ!」
しかし、一度止まる。
「……あれ?おねえちゃま、お目目見えてないの?可哀想……。お友達にしたら、キレイな宝石つけてあげるね。」
……それをされたら、困る。
「付き合い長いから、それだけは遠慮するわ。」
少しむくれていた。
「仕方ないなー。ガラス玉みたいなお目目もキレイだよね。」
………セリカの声が遠くなる。取り敢えず、目をくり貫かれることは免れた。
そして、そのまま、意識を手放した………………。
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