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その2、
日に日にひどくなる、学校での ”あれ” に、僕は疲れ始めていた。
「何でなんだ、、、何時からこんな事に成ったんだ?、僕は何もしてないのに。」
その日も学校でハブラレた僕は、頭の中を真白にしながら階段を下りていた。
「早く家に帰ろう。もう、何も考えたくない。何も、感じたくない。」と思った時、 何か重い物が背中に当たった。そして、 ”痛いっ” と思った瞬間、僕はバランスを失って、階段から転げ落ちた。
隣の犬の鳴き声で目が覚る。僕は自分の部屋で寝転んでいた。
「もう朝なんだ。嫌だな、学校なんか行きたくない、、、」と1人ゴチリながら、リビングに出る。何時もの様に、両親は既に仕事に出て行っていて、家には僕1人だけだ。
学校までの通学路でも、教室の中でも、仲良しグループが、ゲームの話しや、前の日のテレビ番組の話し等を楽しそうに話しているが、僕にはそんな友達が、もういない。 ”あれ” が始まって以来、昔の仲のよかった友達には、僕が見えなくなってしまっていた。
”そんな所に行く必要があるんだろうか、サボってしまおうか?”と迷ったが、またお母さんからの小言を聞きたくなかったので、学校に行く事にした。
チャイムが鳴る直前に教室に入る。静かに自分の席についた僕は、何時もと違う雰囲気を感じた。異常に静かだ。それに、何時も騒いで、僕を虐める奴らも、静かにそれぞれの席についている。
”今日は、クラス皆で僕をハブル気なんだ、、、やッぱり、サボればよかった。”
すると突然、教室のドアが開き、担任の先生が渋い顔をして教壇についた。そして、起立、礼、着席の儀式が終ると、先生は僕の顔をしばらくの間見ていたが、何も言わずに出席を取り始めた。
でも、、、僕の名前は呼ばれなかった。
”なんで先生は、僕の名前を呼ばないんだ、えっ、、、?”
「先生まで僕をハブルのか、、、もういい、お前ら皆、消えてしまえ!」と僕は悲鳴のように叫びながら、教室を飛び出した。
気が付くと、クリスマスソングが鳴り響く、繁華街をうろついていた。
”クリスマスソング?馬鹿みたいだ、天使も神様もいないのに。何度も祈った。けど、誰も助けてくれなかった。全部うそだ、、、惨めな世の中だ、、、皆が苛め合っている、苛めの世界だ。”
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