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その4、
「ねぇ、お兄ちゃん、サンタさんって本当にいるのかな?」
「さぁ、どうだろうね、、、そうだ、今日はイブだから、2人でずっと起きていようか?」
「うん! でも、サンタさん、私達にもプレゼントくれるかな?」と妹は、少し不安げな声です。
2人がいる繁華街も、10時を過ぎた頃には人影も無くなり、殆んどのお店はシャッターを下ろしていました。唯、昨日までと違うのは、クリスマスツリーの灯りが点いています。そして、赤や青や金や銀色の玉がキラキラと輝いている事です。そして、この兄妹も光輝いていました。
「お兄ちゃん、沢山の鈴の音がするよ。」
「そうだね、でも、何処からだろう?」
2人は小さな羽を小さく動かし、鈴の音のする方に飛んで行きましたが、何処を探しても、その鈴の音の正体は見付かりません。それでも、その音は、だんだんと大きく成って行きました。
突然、
「おーい、こっちにおいで。」と言う声がして、2人が振り向きますと、クリスマスツリーの前に、大きな髭を生やしたお爺さんが立っています。
2人は、そのお爺さんの前に降り立つと、小さくお辞儀をしました。
そして兄が、
「こんばんは、この間は有難う御座いました、、、あの、いきなりで悪いんですが、幾つか質問があるのですが、いいでしょうか?」と尋ねました。
すると、お爺さんは、大きく微笑みながら、
「もちろん、いいさ。何でも聞いてごらん。」と答えました。
「まず始めに、僕達は何なんですか?死んでしまったのですか、天使に成っちゃったんですか?もしそうなら、天国に行くのですか?それと、もう一つ、 ”本当の幸せ” って何なんですか?」
お爺さんは、またニコリ笑いながら、優しい声で、
「”本当の幸せ“、それは、難しい質問だね、、、うむ、それを探す事が ”生きる” とゆう事じゃないかなと、私は思っているよ。」
すると、兄の羽をつかみながら立っている妹が、恥ずかしそうに、でも悲しそうに、
「でも、私はもう人じゃないよ。羽も生えてるし、空も飛べる。でも、普通の人には見えないもん。私は、普通の子供に戻りたいよ。ママに合いたいよ。皆でケーキを食べたいよ。」と半べそに成りながら言いますと、
「それが、お前の望みかい?それじゃぁ、君はどうかね?」と、髭のお爺さんは、また優しい声で尋ねました。
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