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その後エニシやゆかりが何をどうしたのかは誰も知らない。
だが翌日、出勤してきた二人はエニシが妙に胸を張り、ゆかりが妙に腰が引けて女の子らしくなっていた。
その旨を首長室でゆうすけに報告するのは龍二。彼は市井に生きる一人のプロフェッショナルとしてゆうすけの個人的な依頼を受けてその結果を報告しているのだ。
あの戦いから三年が経った今、政府トップ、首長にはゆうすけが返り咲き、その脇を小鳥や弦子夫婦、近藤やハモンが固めその下には彼らの後を継ぐものとして
彼らの見習い候補生、エニシやゆかりが働いている。
国の在り方も今はほぼ絶対君主制。
いずれは民主化に舵取りしていく予定ではあるが、今はまだ強い指導者が人々を導く時期なのだ。
だから龍二は市井に潜った。
無闇に反発するのではなく、かといって無闇に迎合するのでもなく。
国に対して、ゆうすけに対して、政治に対して、そしてエニシに対して対等の一人の人間であろうとしているのだ。
だから今日も龍二は忙しい。
日々の暮らしの糧を求めて、今日も忙しく働き続ける。
「・・・以上で報告終わりです。」
「ありがとう。いつもいつも助かるよ、龍二君。
君の影の頑張りのおかげでようやくエニシも動き出せた。まったく誰に似たんだかこと恋愛を進めていくのには妙にチキンでやきもきしていたんだ。
ありがとう。」
ゆうすけが笑顔で握手を求め、それに笑顔と握手で返す龍二。
「いえ、俺もあいつらの秒速二センチメートルっぷりにはいい加減蹴り倒してやりたいと思ってたんで。
それじゃゆうすけさん。
今後とも。
R&G万請負相談所。御贔屓よろしくお願いします。」
背を翻した龍二の着るジャンパーには大きく書かれたR&Gの文字とそのバックには古龍をデフォルメしたロゴマーク。
胸を張り、誇らしげに部屋を出て行く龍二であった。
次作予告。
「ネバーエンディングOストーリー。」
乞うご期待!!
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