烈姫ーrekiー

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 もちろん、伏見がこちら側なのかどうか確認する術はなかったし、女性社員にもモテまくっているようだったから、鴨川自身も期待などしていなかった。  毎日の目の保養、職場の張り合い、疲れた時の癒しなどと、勝手に伏見を眺めては幸福感に浸っていた。  仕事に対して厳しい指導が始まっても気にならなかった。寧ろやる気が倍増したほどだ。  しかし、2カ月続けばおかしいと思う。3カ月を過ぎて確信に変わった。  仕事は出来ている筈だ。たしかに小さい失敗がない訳ではないが、難詰されるほどの事ではないと思う。だとすれば……。  絶対に嫌われている。それも相当に、だ。  他の誰に嫌われようがどうということはない。だが、伏見に嫌われるのはつらい、悲しい、耐えられない。  正直、辞めてしまおうかと何度も思った。その度正社員という立場がちらつき、伏見の顔と重なった。そして気付いた。  どんなに嫌われているとわかっても、どんなに脈がないと知っていても、どうやらこちらは本気らしいと。本気で伏見に惚れてしまっているらしいと。 「あああ……」  またため息が出た。
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