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5人が論議する様を、幼きタキシードに身を包んだ少年は眺め続ける。
「無理、なのかな?やっぱり僕ら5人が何か目標に向かって協力し合うっていう未来は。」
「無理でしょ、逆にエドくんはできると思ってるワケ?」
ヘラ、と嘲笑して応じるトーマ。エドは視線を覚束ない様子で泳がせる。
「……僕は、できたら、イイなって…そぅ、思うんだけど。」
「ハキハキ喋りなよ~、ムカつくなぁ。童貞?」
「ブッ…!?はっ、はぁ!?」
トーマの発言は、やはりどの場面においても破壊力抜群だ。
「…その、世界を、変えたいって気持ちはある。」
『!』
エドのその言葉が、少しだけ他の4人に刺さった。
「…世界を変える…?」
「うん、僕らが、僕らの世代が、世界から争いを減らして…そうして平和な世界を徐々に広げていけたらイイなって…」
「ふぅん、」
トーマの片眉が、少しだけ釣り上がる。
『これは、革命だ。』
思い出す、幼少期の記憶。トーマにロクマが言ったワードだ。
「カクメイ、ねぇ…」
「?」
エドがコクリと首を傾げたのと同時に、トーマが口火を切った。
「ま、今すぐは無理だろうけど…少し考えてもイイかもね。」
「ほ、本当?!」
エドの表情がパァ、と明るくなる。
「……アルがこのプランに不参加なら、考える。」
「んだとトーマおいコラ!?」
「そのうるさい舌、引っこ抜いて塩タンにしてあげよっか?(笑)」
「あぁぁっ!?」
この2人は、どうやら水と油のようだ。
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