第1話ー【紅の少年】ー

9/14
前へ
/265ページ
次へ
ー… ボソボソと、小声で王宮内を忍び歩く。 『随分アッサリと忍び込めたな、王宮。』 『ロージお前ヘマすんなよー?ヘマした方帰りにお菓子おごりな。』 2人は、思いの外簡単に王宮内へと忍び込んでいた、後は王女の元へと向かうだけ。 『ロージ、明日レイのヤツに自慢してやろーぜ。』 『イイねー、俺たち3人組で1人だけ仲間ハズレだったらアイツ悔しがるぜー!』 『本当、悔しいだろうなー、‘‘アタシ”』 最後の‘‘会話の人物”にアルとロージは思わず声を上げた。 「「何でレイがここに!?」」 「しーーっ!うるさいっ!見つかっちゃうよ!?」 「「…す、すんません。」」 はぁ、とレイは声量を整える。 「アンタら2人が悪巧みした顔で王宮に向かって行くのたまたま見かけたから、こっそり着いて来たってワケ。」 「お前はニンジャか。」 「違うぞアル、こいつは女スパイだ。」 どっちもどっちである。 「で?王宮に忍び込んで何するつもり?子供だから許して貰えるでしょうけど、最悪長ったらし~~~い説教が待ってるわよ?」 「「王女様に会いに行く!」」 (馬鹿だ、本物の馬鹿だ。) 着いて来るんじゃなかった、とつくづく思うレイだった。
/265ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加