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ー…
実家は喫茶店を営む。
「たっだいまーねぇ母さーん!ハラヘッター!」
「おうお帰りアル。」
「あり?何で父さんいるの?早くない?」
(まだ夕方…)
ドカリとイスに、父親が座っていた。
「今日は王宮に忍び込んでアリルアと遊んで楽しかったかい?クソガキ。」
「…へ?な、何の事…」
(バレてたーーー!?)
「俺ら王国の一線級の兵士がクソガキ共の侵入に気付かねーと思ってたのかコラーー!!」
「うひーーーぃ!!」
コラコラ、と母の【ルカ】が料理を持って割って入る。
「父さん、別にアルが悪さしたワケじゃないんでしょ?許してあげなさいな。」
「や、でもなぁー…!」
「そーだそーだー、児童虐待だぞーっ。」
まさかの劣勢にアーゼンは歯痒かった。
「あ、でも今日の店番サボったアルはお小遣い500V《ヴァイツ》減額ねっ☆」
「許してお母様ぁ~!それだけはぁ~…!」
結果、家庭で最も強い者は母親なのだと、誰しもがいつしか理解するのだ。
※この世界では1V=1円の価値
「どだ、楽しかったか?王女様と遊んで。」
「んー、タノシカッタ!美味いもんイッパイくれたし!」
「お前は将来胃袋掴まれて結婚しそうだな…」
クス、と笑うアーゼンはその影で。
(…姫様も、友達ができて今日は表情が明るかったしな。)
悪い事ばかりではない、と思っていた。
「まぁアレだ、たまに遊びに来てやれ、今度は俺が通してやるから。」
「本当っ!?ヤターーー!」
「母さんの店番手伝うならな。」
「ヴェ。」
「アル、どーゆー意味よその反応は。」
「いやっ、そっ、その…!!」
家族の賑やかな会話は、夜更けまで続いたー…
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