第1話ー【紅の少年】ー

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ー… 実家は喫茶店を営む。 「たっだいまーねぇ母さーん!ハラヘッター!」 「おうお帰りアル。」 「あり?何で父さんいるの?早くない?」 (まだ夕方…) ドカリとイスに、父親が座っていた。 「今日は王宮に忍び込んでアリルアと遊んで楽しかったかい?クソガキ。」 「…へ?な、何の事…」 (バレてたーーー!?) 「俺ら王国の一線級の兵士がクソガキ共の侵入に気付かねーと思ってたのかコラーー!!」 「うひーーーぃ!!」 コラコラ、と母の【ルカ】が料理を持って割って入る。 「父さん、別にアルが悪さしたワケじゃないんでしょ?許してあげなさいな。」 「や、でもなぁー…!」 「そーだそーだー、児童虐待だぞーっ。」 まさかの劣勢にアーゼンは歯痒かった。 「あ、でも今日の店番サボったアルはお小遣い500V《ヴァイツ》減額ねっ☆」 「許してお母様ぁ~!それだけはぁ~…!」 結果、家庭で最も強い者は母親なのだと、誰しもがいつしか理解するのだ。 ※この世界では1V=1円の価値 「どだ、楽しかったか?王女様と遊んで。」 「んー、タノシカッタ!美味いもんイッパイくれたし!」 「お前は将来胃袋掴まれて結婚しそうだな…」 クス、と笑うアーゼンはその影で。 (…姫様も、友達ができて今日は表情が明るかったしな。) 悪い事ばかりではない、と思っていた。 「まぁアレだ、たまに遊びに来てやれ、今度は俺が通してやるから。」 「本当っ!?ヤターーー!」 「母さんの店番手伝うならな。」 「ヴェ。」 「アル、どーゆー意味よその反応は。」 「いやっ、そっ、その…!!」 家族の賑やかな会話は、夜更けまで続いたー…
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