第16話ーepilogueー

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「はい、じゃあ今日はここまで。」 『っ?』 少年が、パンと手を叩いた。 「まぁ、よく考えたら急にこんな話して君達がすんなり合意するなんてあり得ないしね。ゆっくりと話し合う事が大事だよね、」 ニコニコと話す彼は、さながら道化師。 「また今度、呼び出すね?愛しのファンタジア達。それまでに色々と考えててよ、」 「な、何それ。また5人集めるって事?」 「うん、僕は諦めないよ?国内最強の5人が協力し合う、その日が来ることを。」 ハァ、とカリンは溜息を溢す。 「こんな無益な時間、そう何回も作られちゃ堪ったもんじゃないわー…」 「別れる前に一つ、君達には確認がてら伝えておくね。」 『?』 少年が、また話を切り出す。 「君ら5人は、絶対に悪人ではない。紛れもなく善良な戦士だ、それだけは僕が保証する…だからその事を頭の隅に入れて置いて欲しい。」 「全員が、善良…」 5人は、その事を信じずとも頭の中に入れ込んでしまった。 …少年の不思議な求心力に吸い込まれたから。 「それじゃ、別れ際に最後。君達に宿題を与えよう、」 『っ………?』 かくして、今日何度目か分からぬ少年の急な話の方向転換。 「これから1ヶ月以内に、五大国のどこかで大規模な魔物の群れが出現するよ。それを5人で協力して止めてみな?」 『はぁ!?』 驚き戸惑う5人を、少年は満足気に笑顔。 「将来の予行演習と思ってさ、ねっ?」 『いや、ワケ分かんねーよ!!』 悲痛なツッコミを待たずして、少年はその場から忽然と姿を消した。 「それじゃっ、バイビー♪ この世界のファンタジア《救世主》達っ☆」
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