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ー…
「アリルアがいなくなったぁ??」
城で護衛を任されているアーゼン。彼はマヌケにも今更アリアがいなくなった事を知らされていた。
「………はぁ、まさかウチのバカが何か絡んでねぇだろうなぁ…!?」
「それが、一緒にいた子供達もいなくなっているようでして…」
「完全に絡んでんじゃん!あんの馬鹿アル!!姫様に何かあったら、俺クビで済むかな!?打首かな!?」
「落ち着いて下さい隊長!!」
てんやわんやの城内だった。
『どうかしたの?アーゼン。』
「あ、これはこれは王子。」
黒髪の映える少年が、通りかかった。
「何でもねーっスよ??姫様が城内から抜け出しちゃったとか、そんなワケないっスよ!?」
「そうか、抜け出したのか。」
「何で分かったのっ!?」
「アーゼンはキレ者なのに、そういう所が抜けてて面白いね。」
クスリと微笑む少年は、紫の瞳を光らせる。
「…誰かに唆されたの?アリルアが。」
「んー、何と言いますかね、そういうワケじゃあないと、思うんだけども~…」
「もし犯人見つけたら、連れて来てね、アーゼン。」
彼の紫の瞳は、僅かながら苛立ちが籠っていた。
「僕が、この手でコロスから。」
彼の名は、この国にやがて王子として迎え入れられる…‘‘アリルアの婚約者”
黒髪紫瞳の美少年、
【ルヴァイン・カデンツァ】。
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