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「ダハーーッ!!」
ガサァッ!!
森を、抜けた。どうやらあの巨大猪は途中で撒いたようだ、助かった。
薄暗かった森を抜けると、そこは広めの草原。
「あ、これだ…見たかったモノ!」
「アリア、これが?」
…その先に広がっていたのは。
「死んだおじいちゃんが言ってたの、南の森を抜けたら、ずっと遥か彼方まで海が広がってる景色が見えるって!!言ってたの…『そこに行けば、きっと良い事がある』って!」
「「「!!」」」
アリアのみならず、他の3人もその景色に心奪われた。
「うわーーぉ。」
アルも、
「凄いわね、これ。」
レイも、
「ここ俺らの秘密基地にするか!!」
ロージも、みんな。
背の低い緑が茂る草原、そこから先にある断崖。その先に広がる大海原、まるで世界を真横に斬ったように伸びる地平線は、白と青を区切る…
「綺麗…、」
世界、というものを見た気がした。
アルはその場に座り、マジマジと眺める。
「デッケーなー、海。」
「見ろよアル、何か大っきい石版があるぜ!」
「おぉ!?何かすっげーお宝なんじゃね!?」
男2人ははしゃぐが、ただの石版のようだ。青銅で出来たそれは2人の格好の遊び場となるだけ。
「良かったね、アリア。」
「うん……今日は、すっごい楽しかった!私のワガママに付き合ってくれてありがとう。」
ニコ、と4人は笑い合った。
「当たり前でしょ?」
草原でギャーギャー暴れ回る男2人を尻目に、レイはまた更に優しく微笑んだ。
「私達、もう友達以上じゃん。」
「!!」
ちょっと涙が浮かび上がったのは、内緒だ。
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