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ガサガサ…
火を起こし、手に松明を持って森を進む。
ビクビクと、木の葉を掻き分けてレイが歩く。
「何か、暗くない?ねぇロージ。」
「だいぶ日が傾いて来たぜ、早く森出ないと、ヤバいってコレ。」
焦りが、焦りを生む。
ずりっ。
「あっ!」
「アリア!?」
ズザザッ!
転けて、膝を擦りむいてしまった。
「痛っテテ…」
「大変アリア!血出てる!」
「そんな、大した事ないよ、あイタタ、」
道も何処を向いているのか、どっちが出口なのか、全く分からない。
加えて、
ガサガサ…
「何か、さっきから尾けられてる気がする。」
「ちょ、怖い事言わないでよアル~。」
アリアは半泣きになってしまう、
「また魔物が来てるかも、何かそんな気がする…」
アルの人一言に、ゾクリと恐怖が背筋を走った。
「も~!アルがルルヴェー行くとか言うからだ!」
「俺の所為かよロージ!」
「大体パン切れ食べたのだってアルじゃん!」
「はぁ!?レイまで…!何だよお前ら2人して!」
言い争いは、無駄に体力を消耗する。
「ヤメてよみんな!そんな事今言ったって意味ないよ、」
「…悪ぃ。」
「ごめん、俺も、余裕なかった…」
「私も、ごめん。」
暗い森の中が、より一層不安と恐怖を駆り立てる。
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