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「…ゴメン、私がルルヴェーに行きたいとか、そんな事言い出したから…」
「そんな、アリアは悪くないよ。だってやっと外に出れたんだもん。」
レイは必死に泣きじゃくるアリアを慰める。
「まず、何とかして森を抜けないと…!ねぇロージ、北がどっちか分かる?」
「キタ…?来た?着た?きた?」
「ロージに聞いた私がバカだった。ねぇどうするアルーー…」
パキリ、
『!!』
木の枝が、踏み折られる音。
「…さて、どうしようか。」
レイには応じず、アルは口を開いた。
『グルルルル…』
「昼間ぶり…だな、イノシシちゃん。」
「「「でっ、出た~…!!」」」
この現状、大ピンチに他ならない。
「どっ、どうしようレイ!!」
「ここはもう、‘‘アルに”任せるしかないわね。」
「うん、そーだな。」
「…えぇ!?」
実はと言うと、レイとロージはこと‘‘獣に関しては”そんなにビビってはいなかった。(幽霊にはビビっていたが、)
「な、何で?アル大丈夫なのーー…?」
ドッッッッゴン!!
「っ!?」
『ブギュアッ!?』
ズガガガガンッ!
思わず、アリアは目を疑った。
木々をへし折り、猪が吹き飛んでいったから。
「へっ、デカいだけだな。父さんの方が怖ぇーぜ。」
「…今の、魔法?」
「凄いでしょ?だから意外と安心してていいよ。」
ニカリと横でレイとロージが笑った。
「あいつ、多分この国の同世代で一番強いから。」
「っ!!」
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