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あ~あ、塚本さんの行くところは俺の行くところ。今日は舞台稽古に来ている。
は?何だよ。オーディションのセリフは台本から取ったのかよ。あ~聞きたくねぇ。
疲れた…もうイヤだ、だって。そのセリフ俺が言いてぇよ!
塚本さんの役はヒロインの恋人の親友。最初は何かとこのバカップルに振り回されるお人好しなんだけど、振り回され過ぎて、だんだんブラックになっていくという役で、ブラックになる切っ掛けのセリフが、疲れた…もうイヤだで、今までの我慢がぶちギレるみたいな感じかな。
二面性を演じるってことか…そう言えば、オーディションの時も二面性を演じたんだ、なるほどね。塚本さんは演技が上手いみたいだ。
そんな事を思いながら塚本さんに憑いていると視線を感じた。
…ん?なんだ?
えっ…もしかして俺と目が合ってる?おいおい…マジかよ!
そいつは、塚本さんと同じオーディションで合格した人の後ろに憑いていた。
「おい!」
「チッ!何だよ。」
こいつ…舌打ちしやがった。だけど、この状況、チャンスとみた!怒るなよ、俺。
「お、お前…俺が見えるのか?」
「あ゛?見えるよ。だから何だよ。」
うわっ…質悪そう…。怯むな俺。たぶん奴は、その人に憑いている。
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