第1章

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「ちょっと、聞きたいんだけど…。」 「あ゛?何だよ。」 「あんたさ、その人に憑いてんの?」 「そうだけど?それが何だよ。」 うわっ…キレ気味に答えるなよ。俺もキレちゃうから…いやいや、怒るなよ…俺。 「その人から離れられる?」 「いや、離れられねぇよ。だけど、離れる方法は知ってる。」 なに?離れる方法を知ってるだと? 「俺さ、気づいたらこの人に憑いていたんだけど、離れられねぇのよ。それで困ってたんだ。初対面で、いきなりこんな事言って、あつかましいんだけど…俺に離れる方法を教えてくれないかな。」 「ふ~ん。そうなんだ。お前、何にも知らねぇのな。」 感じ悪っ! 「お、お前は知ってんのかよ。」 「ふん。当然!知ってるよ。」 イラっ!何だよこいつ…めっちゃ感じ悪っ!じっと見ると、ふぅ~っと息を吐いて俺を見た。 「いいぜ。教えてやる。」 「マジ?ありがとう!助かるよ。」 なんだ?いい奴か?いい奴なのか?早く教えてくれ。俺は離れたいんだよ。
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