第1章

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俺は波野 周平。22歳。高校を卒業して演劇学科のある専門学校に入学。無事卒業して、アルバイトをしながら役者を目指してる。 ちょい役なら…と言ってもエキストラですけどね、ドラマにも出た事はある。だから何って、まだまだ駆け出しの役者の卵…いや、まだ役者の卵と名乗る事さえ、おこがましい。 そんな俺に!ついに!キタァー!ビッグチャンス!このオーディションに通れば、所属事務所が決まる上に、役者としての道が開けるんだ。 有名作家の小説が映画化され、今度は舞台化される。メディアへの露出もハンパない。注目の舞台だ。 だけど…主役じゃないけどね。でも!重要な役割を持った役だ。 それには…課題を演じきらなくては話にならない。 『疲れた…もうイヤだ…』 何に疲れて、何がイヤなのか、短い時間でわかる演技をしなければならないんだ。発想は自由だ。自己アピールにはもってこいの課題なんだけど…。先ずは、明るくいくか、暗くいくか…決めるかな。 普通に受ける印象は、頑張りすぎて追い詰められた感じか?山のような書類…残業あるあるだな。 でも、俺はそんな、あるあるには興味はない。やっぱり誰も考えないような設定がいいよなぁ…。
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