第1章

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隣の猫に威嚇されただけで終わらなかった。それから、犬に吠えられるようになって、道ですれ違う野良猫にさえも威嚇される。 いったい、どうしたんだろう…ここまで不自然に吠えられたり、威嚇されたりすると…流石に気になる。 よく聞くのは、動物には霊が見えるという事。まさかとは思うが、俺に何か憑いてるとか?マジでやめてほしい…。 そう言えば…ベランダに雀も来なくなった…。 えっ…マジで?何か嫌なんだけど…。 バイト先で休憩時間に何気なく話をしてみた。バイト先っていうのは居酒屋なんだけど、俺は厨房に入っているんだ。今日は、ふたつ年上の前河さんと専門学生の高柳くんが一緒の休憩で、メンバーは日々、違ってもいつも皆でコーヒーを飲みなから、色んな話をしている。 「どう思います?」 「怪しいな。」 「たぶん、憑いてると思いますよ。」 「えっ!高柳くん、やめてよ。」 「でも、一度、見てもらったらどうだ?」 前河さんと高柳くんは、気になるなら一度、見てもらったらどうかと真剣に話を聞いてくれた。 何か…憑いてるのかな…。バイトの帰り道…気分は急降下…。
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