隣の好きな人

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ーー世の中には、損得が当たり前のように存在する。 彼があの人と付き合っているのは、私にとって損。いや、誰が見ても損だ。 得をするのは、彼じゃない。その、相手だ。 好きな人を二人も手に入れて、どんなに幸せなのだろう? 苦しめば、良いのに。二人とも、手元から離れちゃえば良いのに。 「……水瀬」 お願いだから、その人と別れて。 知ってるんでしょう?その人、既婚者なのに、年上なのに、水瀬と付き合ってるんだよ? 17歳の水瀬と、26歳の、七海先生。 「……別れてよ……っ」 涙で滲む視界に、仲の良さそうに会話をする二人の姿が歪んで映った。 なんで、よりによって先生なの? ねぇ、水瀬。 ーー今日も私は、好きな人と先生が不倫しているところを、この薄暗い密室で見てる。
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