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そう言えば葵がどうこうって話もしていた気がする。ただ、その後の衝撃が大き過ぎて、すっかり失念してしまっていたが。
いつも、「お兄ちゃん」「お兄ちゃん」と、どこへ行くにも俺の腕を離さなかった葵が、三年間で少しは成長しただろうか。
「って、あれ? 結局、美玖の家でイチャイチャするって話で良かったんだっけ?」
「あはは。まぁ、それはまた後日検討って事で」
「えー、俺の部屋には、ほぼ毎日来てるのにさ」
「だって、たっくんが美玖を毎日誘うんだもん」
「いや、それはまぁ、その……俺だって健全な男子高校生な訳だし。美玖と一緒に過ごしたいし」
そう言うと美玖が顔を紅く染め、俺の視線から隠れるかのように、背中へ抱きついてきた。
ここは身体を寄せ合って、熱く唇を重ねるシチュエーションだと思うんだけどな。まぁ、この幼さの残る所も愛すべき美玖の可愛らしさだろうか。
そんな可愛らしい美玖の、柔らかい身体の温もりを背中に感じつつ、少しだけ、少しだけ思う所がある。容姿も性格も可愛らしい美玖だけど、ただ一つ願望を挙げるとしたら……おっぱい。
今も背中に美玖が抱きついたままなんだけど、そこには女性特有の膨らみというか、弾力というか、ぶっちゃけ大きな胸が押し付けられるというのが無い。
学校内で、いや日本で一番可愛い美少女の顔から僅か下。普通の女子生徒であれば、二つの膨らみがあるべき場所には、真っ平らな平面が続いている。身長が中学一年生で止まった美玖は、おっぱいの成長まで中学一年生で止まってしまったのだ。
だから、中学一年生の時に拝み倒して触らせてもらったおっぱいと、今の美玖のおっぱいの揉み心地は大差がない。
……いや、待て俺。おっぱいが小さいからどうしたと言うのだ。愛する恋人の美玖が傍に居てくれる。それだけで十分じゃないか。一体、俺は何を血迷って……
「あの、たっくん? さっきから、胸ばっかり見過ぎじゃない?」
「えっ!? あれっ? 俺の後ろに居なかったっけ!?」
「後ろに居たら、たっくんが自分で、美玖の方に身体を向けたよ?」
「そ、そっか。いやー、やっぱり常に美玖の事を見ていたいからじゃないかな? あははは……」
「卓哉――いえ、たっくん。そういう歯の浮くような台詞は、二人っきりの時に言ってあげたら? ごはんよ?」
――パタン。トントントン……
「うわぁぁぁっ!」
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