山猫

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王様はプルプル震えて大きく息を吸い込んだ。 「つ、つつ連れてかえる!!!」 この人大声出せるんじゃねえかよ! 思いもよらなかった怒声に耳がきーんとした。 きーんとし過ぎて、三半規管がおかしくなったのかと思った。 地響きと共に地面が揺れた。 驚いて鳥が飛び去って、王様は頭から後ろにひっくり返る。 辺りに急に影が出来て、俺は後ろを振り返った。 で、デカイ……!! 街で一番高い時計台くらいはあるんじゃないか!? にゃああああああああああ 立ち上がった山猫の鳴き声が、村中に響き渡った。 今しかない! 俺は王様にはったりを叫ぶ。 「こいつもここに居たいって言ってます!!」
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