青春~声なき声~

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青春~声なき声~

「………………!」 身体中から恐怖がたぎる。 口を開け、悲鳴をあげようとするのに、声にならない。 「………………!」 忌々しいほどに、能天気な息の漏れる音がする。 ヒタ、ヒタと感じる水の感触。 足元をうごめく何かの感触。 私は光を見ることを封じられ、地下牢のような薄暗い場所に閉じ込められている。 まるで、そんな風に、いつも何かに怯えていた。 何も知らない、何も出来ない、助けなんて求められない。 少しだけ背が伸びて、視界が変わって、その恐怖に打ち勝ち大人になろうとする人の子が、今日も懸命に叫んでいる。
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