晴れた日は散歩に出よう。

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「この猫ちゃんの面倒を見ていたのはそこの家のおばあさんなんだけど・・去年亡くなってね・・」 そうか・・もしかしてブッチャーはそのおばあさんに会いにあの家に行っているのかも・・ それと同じことを彼女は思ったのかしんみりと発言する。 「ブッチャーはおばあさんが亡くなったことを理解してないんだね・・だからいつまでもあの家に行ってるんだ・・」 だけどそれを聞いて俺はもう一つの可能性を思いついた。 「いや・・もしかしてブッチャーはそれを理解してるのかもしれないよ。それでもそのおばあさんを偲んで家に寄っているのかもしれない」 彼女はそれを聞いて話の中心になっている彼を見つめる。そして絞るよな声で俺の発言に対して肯定とも否定とも取れる返事をする。 「そうだと少し嬉しいね・・だけどそれでもちょっと悲しい話だよね」 彼女はそう言いながら影のある寂しい表情をする。それは先ほどまでの元気のある明るい表情からは想像もできないほど暗いく沈んだものだった。この表情は彼女の優しさから出たものなんだろうな・・そう思うとその重く悲し表情が少し綺麗に見える。 ブッチャーは十分満足したのかお肉屋さんを後にして歩き始めた。それ俺達は当然のように後を付いて行く。 「今更ながら名前を聞いてもいいかな」 俺はブッチャーの後を付いて行きながら彼女にそう聞いていた。 「私は真木紅麗(マキクララ)だよ。あなたの名前は?」 「俺は氷見嶺二(ヒミレイジ)」 そう聞いた彼女はなぜか失礼なことを言ってくる。 「へー見た目のイメージとは随分と違う名前だね」 「イメージってどんなイメージだよ」 「いや・・佐藤とか鈴木とか・・そんな感じかと・・」 「平凡な見た目で悪かったなクララちゃん!」 「下の名前で呼ばないでよね!私・・そんなに好きじゃないの・・名前・・」 「どうして?いい名前じゃないか」 「子供の頃・・席から立ち上がるたびに、クララが立ったってバカにされてたのよ・・」 それを聞いて納得してしまった・・俺もその場にいたら同じようにからかってたかもしれない・・
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