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遠州市立天河学園。
街から離れた学校周辺には田園や森林が広がっている。
建物は古く2年の教室も1年と変わらず古びれていて、壁にひびが入っていたり、木製の床は踏んだら穴があきそうなほどボロボロだった。
去年1年間ややこしいもめ事ばかり起こしてあやうく留年しかけた俺だが、追試を何度も受けてどうにか2年に進級できた。
春は気温はいいし桜は綺麗でいい季節だ。
なによりこの2年1組の教室にはあいつの姿がない。
恒例というか最初の1学期の席順は苗字によって順序が決められる。
阿部、井上といった苗字の生徒は前の席のほうへ、それから鈴木、佐藤あたりが中間の席。俺の名前、"雪村壮太"は毎度のことながら教室の最後尾だ。
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