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「てめえなに言ってんだ?」 「司堂さんに頭下げて詫びろや」 と、取り巻きから訳のわからないことを言われ、こちらも言い返した。 「そこの司堂ってのがそんなに偉いのかよ?クラスメートはみな平等なんじゃねえの?」 司堂は怒りを抑えた紅潮した顔で俺に睨んできた。 「おもしろい奴と出会えてラッキー!お前にとって人生一度の青春生活、オレが滅茶苦茶にしてやるぜ」 「勝手にやってろ。もう俺に話しかけんな」 それから奴のいじめというより、稚拙な攻撃がはじまった。 ペンや消しゴムはしょっちゅう盗まれ、ロッカーに蛙の死骸が入っていたり、靴箱を荒らされたり。高校生にもなってこんなことやるのかと正直呆れていた。 小学生のいじめレベルの行為をやって俺が根を上げると勘違いしているらしい。
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