ココロンの悲しみ

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夜、星になった女の人を見つけるため、空を見上げるココロン。 “お姉ちゃんはどこだろう……?ありがとうと伝えたい……” 毎夜、そう思いながら涙を流し、眠りにつくのでした。 そんなある日の夜……。 “起きなさい、ココロン” ココロンは女の人の優しい声で目が覚めました。 “ん……?お姉ちゃん……?” “いいえ。私はすべての生き物から「女神」と呼ばれるもの。 あなたにお願いがあって話しかけました” 女神の声はココロンに言いました。 “女神様。私にお願いとはなんですか?” “私は毎夜、あなたの「ありがとうと言いたい」という嘆きを聞いていました。 そんなあなただからこそ、私はあなたにすべての生き物の「ありがとう」を伝える役目をお願いしたいのです” “すべての生き物の「ありがとう」を伝える役目って……?” “すべての生き物は生きている以上、何かの助けがあります。 そして、他のものに感謝の気持ちを持ちます。 だけど……。様々な理由からお礼を言えずに生きているものが大勢います。 ココロン。あなたにはそのことに対して、心苦しく思っているすべての生き物の「ありがとう」をそのものの代わりに伝える役目をお願いしたいのです” ココロンは考えました。
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