ココロンの悲しみ

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“では、私はお姉ちゃんにありがとうと言えますか?” “その役目を果たしたら、あなたの願いを叶えましょう” “本当ですか? それなら、私はその役目をお受けします” ココロンは言いました。 “ありがとう、ココロン。 では、すべての生き物のために働くあなたに私から贈り物を。 すべての生き物の心の声が聞こえる耳。 すべての生き物が見つめられると必ず立ち上がる瞳。 「ありがとうと言いたい……」と嘆いているものの匂いが分かる鼻。 すべての生き物の言葉を話せる口。 すべての生き物に寄り添うことのできる心。 望めばその時間その場所に行ける足” 女神の声が聞こえた後、ココロンの体が輝きました。 “あなたのように「ありがとうと言いたい」と思っているものは多くいます。 少しでもそのような嘆きが減る世の中になるよう願っています。 お願いします、ココロン” “分かりました、女神様。 そのものの代わりに「ありがとう」を伝える役目を果たします” ココロンは女神と約束をしました。
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