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《 私は今までダメな自分だと追い込んでいたけれど、
振り返ってみれば、
ここまで頑張っていたんだ。
過去の自分が頑張ってくれたから、
今の自分がいるんだと分かっているのに……。
過去を思い出しては泣くのはもうやめたい。
過去の自分にありがとうと言えたら、
過去の自分を受け入れられるのに……。》
「私が過去のあなたにお礼を言ってくるわ」
ココロンが話すと、少女はびっくりしました。
「犬がしゃべった……!?
しかも、私の考えていることが分かっているの……?」
「私はココロン。色んな理由で「ありがとう」を言えずに心苦しく思っているすべての生き物の代わりに、
「ありがとう」を伝える役目を与えられたものです。
あなたが伝えたい「ありがとう」を私が代わりに過去のあなたに伝えます」
「え……、そんなことができるの?」
「できます!任せてください!」
ココロンは胸をはって答えました。
「……じゃあ、中2の私にお礼を伝えて欲しい。
部活のことでも、クラスのことでも思い悩んでいた秋の私に……」
少女はココロンの瞳をじっと見て、お願いしました。
「分かりました。
私、過去のあなたに伝えてきます!」
「お願い。私はここで待っているから」
」
「分かりました。
では、過去の秋にいる中2の彼女の所へ……」
ココロンが右前足で踏み出した瞬間、
ココロンは色とりどりの葉っぱが落ちてくる公園にいました。
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