Part1 やはりJK部に非日常を求めるのは間違っている

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 これはまだ、玉木太郎がいた頃のJK部の日常を、JK部のメンバーから話を聞いて再現した一コマである。  さて……どうやら例の事件当日も相変わらずの日常を送っていたようだ。  あの猫のように愛らしい少女――柊秀南(ひいらぎひいな)の細い目がデカ目になったといえば、なんとなくわかるだろう?  そう……当日もまた、驚くべきしょうもない事件が、あの部室で起きたのだった。  (編集:新聞部部長 暁花月(あかつきかづき)) (スペシャルサンクス:華麗なるJK部のみなさん) (小道具:紋白蝶飛(もんしろちょうひ))  ◆  安堵の表情を浮かべていた香名ちゃんの口もとが、今はピクピクと痙攣していた。  ヒロちゃんはさっきまで泣きそうな顔をしていたけど、今は目を見開いて驚愕している。  そして――わたしは目の前の光景に戦慄した。 「ククク……我の名は閃光幻影(ライジング・ファントム)。時空を流浪する闇の狩人である。今から一方的な殺戮の幕開けだ。動くなよ? 動いた者から順に冥府への片道切符をくれてやる。お前らを物言わぬ肉塊にすることなど児戯にも等しいのだぞ?」  タマちゃんがあごを引いてほくそ笑んだ。  き、気持ち悪いよぅ……。  というか、闇の狩人なのに「閃光」が名前に入っているけど矛盾してないの? ちゃんと設定つめた? 前に聞いたスペースオペラの話のほうがだいぶマシだったよぅ。  なんか……なんかよくわかんないけど!  よくわかんないけど、タマちゃんが中二病全開になってるぅぅぅぅ!  ……いや、まぁ、ことの発端はわたしのせいでもあるんだけど――。
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