Part3 ノー罰ゲーム・ノーライフ

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「さて、いよいよ私とタマの一騎打ちね」  香名先輩は赤いメガネを中指でくいっと持ち上げてカッコつけた。 「私は、この部活で最強にして無敵。それゆえ私は退屈していた。ふふふ。ずっと待っていたのよ……タマのような挑戦者をね!」  え? 嘘だよね?  まさか、香名先輩まで? 「ダメだ、香名先輩! その先のセリフを言っちゃあ――」 「さあ、始めましょう! 最終的には私が勝つ、退屈しのぎのポーカーを!」 「もうこの時点で僕の勝ちだよ!」  どうして負けフラグ立てるんだよぉ! ゲーム的な面白さ皆無だよぉ! 「私は勝負が好きなんじゃない。勝つのが好きなのよ!」 「それ最終的に負ける敵キャラのセリフぅ! これ以上フラグ立てないでくださいよ!」 「ほぉ。口だけは一丁前のようね」 「それは僕のセリフですよ……」 「ふふふ、気に入ったわ。せいぜい楽しませてよね!」  最後に再び負けフラグを立てた香名先輩はカードを配った。  ……ため息をこらえて、僕はカードを受け取った。  ◇ 「……カードノ交換ハ、オワッタワネ?」  香名先輩は放心状態だ。先輩の手札、かなり弱いのだろう。 「タマったら顔色悪いわよ? やり直す?」 「いえ、これでいいです」 「そう。タマったらしょうがないわね。それじゃあ、やり直しましょう」 「人の話を聞けよ! ズルしないでください!」  僕は手札を捨てようとした香名先輩を制した。 「むぅ。わかったわよ……やってやるわよ!」  香名先輩の瞳に、再び闘志が宿る。切れ長の目で睨まれた僕は、おもわず唾を飲み込んだ。
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