Part3 ノー罰ゲーム・ノーライフ

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 さっきまでは確勝だと思っていたけど、今の先輩の態度を見て僕は焦りを感じざるを得なかった。なぜなら、もしも香名先輩の手札が悪かったのなら、ここまで強気にはなれないはずだからだ。  しかも……僕の役はワンペア。この役で勝てるのは、役ナシのブタだけだ。  香名先輩もワンペアということも考えられるが、同じ役なら数字が高いほうが勝つ。僕の役は「4」が二枚のワンペアだ。勝機は薄いだろう。  それに良く考えてもみろ。香名先輩はこれまでずっとフルハウスの役を作っている。先輩にとっては、ツーペアやスリーカードだって悪い役に当てはまるのかもしれないじゃないか。 「いいわね、タマ。これが最後よ……せーのっ!」  くっ、考えても仕方がない!  僕たちは同時に手札をオープンした。  僕  ワンペア(弱い)  香名先輩  ブタ(カス)  また自滅かよ! はいはいフラグ回収乙! 「ふっ……」  安定のフラグ回収率に、おもわず失笑してしまう。香名先輩のあの強気な態度はなんだったんだよ……。 「……負けたわ。さすがタマね」  香名先輩は表情をゆるめた。いや、そんなゲーム後の「相手を褒め称える敗者」キャラ演じなくていいですから。 「潔く例のカードを引かせていただくわね」  香名先輩は伏せられたカードを一枚めくった。  どれどれ。罰ゲームの内容は……。 【モテようとして、ビッグセル型の黒いサングラスをかける。似合ってないし、モテようと必死すぎワロタww】 「いいわ。かけてやろうじゃないの!」  香名先輩はロッカーからサングラスを取ってきた。  サングラスは真っ黒で、とにかく大きかった。小顔の香名先輩がかけたら、アンバランスなのは明らかである。  うん……絶対に似合わないな、これ。
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