Part1 やはりJK部に非日常を求めるのは間違っている

8/19
前へ
/76ページ
次へ
「タマちゃぁぁぁぁん!」  絶叫が沈黙を切り裂いて室内に響く。  そのときだった。 「う……うぅん……」  うめき声を上げながらタマちゃんが体を起こしたのだ。  タマちゃんは頭を擦りながら、ゆっくりと立ち上がる。  よかった。意識はあるみたい。  でも、怪我とかは?  頭、大丈夫?   「タマちゃん大丈夫!?」  わたしが彼に駆け寄ったそのとき。  ――ばしっ。  差し伸べた手を叩き落とされた。  どうして手を払われたのか、思考が追いつかない。  困惑していると、タマちゃんが口を開いた。 「……物質空間転移、完了。ふぅ、ここが二十一世紀の地球か……」  そう言ってタマちゃんは部室を見渡す。  そして意味深に笑った。 「……え?」  おもわず驚きの声が漏れた。  イタイ空気をまとった謎のキャラ。  思わせぶりな暗黒微笑。  間違いない。 「ククク……我の名は閃光幻影(ライトニング・ファントム)。時空を流浪する闇の狩人である。今から一方的な殺戮の幕開けだ。動くなよ? 動いた者から順に冥府への片道切符をくれてやる。お前らを物言わぬ肉塊にすることなど児戯にも等しいのだぞ?」  やっぱりそうだ。でも、どうして急に?  わかんないけど……よくわかんないけど! 「なんかタマちゃんが中二病全開になってるぅぅぅぅ!」  どうしてこうなった……。
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加