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「…で?」
「…で、って?」
陰陽出張所で聖子とおんみょうじさんはおやつを食べていた。
「ネッシー!最近全然噂聞かへんねんけど!なんかあったやろ!」
「あ、ああ…」
おんみょうじさんは少し難しい顔をすると、お茶をすすった。
「ネッシーはみんなの心n「言わせへんでー!!!!」
おんみょうじさんのなんか良いこと言っちゃった的なセリフを遮る聖子。
おんみょうじさんは残念そうにおかきをほおばった。
「で、実際どうなん?ネッシーの正体とかなんか分かれへんの?」
「うーん…」
おんみょうじさんは困った顔をした。
なにせ正体は宇宙人なのである。
こんなこと聖子に話したら笑われてしまうだろう。
それだけなら良いが、尾ひれがついて「宇宙人が地球侵略にきたー!」とでもなれば大騒ぎになってしまう。
なんとか穏便に済ませたいところである。
「あれってさ、何かのイベント用の作りものだったんじゃないかな?」
「作りもん?」
「そ、そうそう、ほらユニバー「それはない」
再び遮られてしまった。
どうしよう…と考えていたおんみょうじさんがふと窓に目をやると、隙間に何かが挟まっていた。
確認してみると、どうやら手紙のようである。
「なんやなんや」と興味津津の聖子をなだめつつ中身を確認すると、中には見たことのない色の宝石があしらわれたネックレスと、文字を覚えたての子どものような字で「ありがとう」と書かれた紙が入っていた。
ちゃんと仲間に会えたんだね。
良かったね。
おんみょうじさんは手紙をぎゅっと抱きしめて静かにほほ笑んだ。
今日は良い日になりそうだ。
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