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「ネッシーの目撃情報はめっちゃいっぱいあるねん。SNSとかでも見た人がこうやって写真に撮って共有しとる。これはもしかしたら…」
「ネッシーは実在していた…と?」
「それを調べて欲しいから今日来たんやんか!なあなあどうなん?こう気の流れがーとか妙な気配がーとか左手が疼く!とか!なんかないん?」
聖子は目を輝かせながら問いかける。
一部何かが混ざっている気がするが、それはおいておこう。
おんみょうじさんは写真を見比べる。
夜の淀川にぼんやりと影が映っている。
これだけではネッシーであると断定はできない。
一応気配を探ってみるが、写真からは妖気などの気配は感じられなかった。
ふと、一枚の写真に目を留めた。
他の写真と同じように夜の写真である。
夜霧であろうか、もやのようなものが映っていた。
おんみょうじさんはその写真を見てうーんとうなると、ソファに寝転んだ。
「どう?なんかビビッときた?」
「そういうのは…別に…」
「そうなん?なんや拍子抜けやなあ」
聖子はガッカリした表情でソファにもたれかかる。
おんみょうじさんは考えていた。
どうして淀川なんだろう。
どうして夜なんだろう。
どうしてあの写真だけもやがかかっていたのだろう。
どうして…。
「なにを寝とんねん!」
聖子の厳しいツッコミで夢の世界から引き戻される。
「いや、だんだん気持ちよくなってきて」
「ほんま、あんたはすごい奴やで…」
「なんだか照れる」
「褒めてない!」
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