第一章 ネッシーとおんみょうじさん

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「ネッシーの目撃情報はめっちゃいっぱいあるねん。SNSとかでも見た人がこうやって写真に撮って共有しとる。これはもしかしたら…」 「ネッシーは実在していた…と?」 「それを調べて欲しいから今日来たんやんか!なあなあどうなん?こう気の流れがーとか妙な気配がーとか左手が疼く!とか!なんかないん?」 聖子は目を輝かせながら問いかける。 一部何かが混ざっている気がするが、それはおいておこう。 おんみょうじさんは写真を見比べる。 夜の淀川にぼんやりと影が映っている。 これだけではネッシーであると断定はできない。 一応気配を探ってみるが、写真からは妖気などの気配は感じられなかった。 ふと、一枚の写真に目を留めた。 他の写真と同じように夜の写真である。 夜霧であろうか、もやのようなものが映っていた。 おんみょうじさんはその写真を見てうーんとうなると、ソファに寝転んだ。 「どう?なんかビビッときた?」 「そういうのは…別に…」 「そうなん?なんや拍子抜けやなあ」 聖子はガッカリした表情でソファにもたれかかる。 おんみょうじさんは考えていた。 どうして淀川なんだろう。 どうして夜なんだろう。 どうしてあの写真だけもやがかかっていたのだろう。 どうして…。 「なにを寝とんねん!」 聖子の厳しいツッコミで夢の世界から引き戻される。 「いや、だんだん気持ちよくなってきて」 「ほんま、あんたはすごい奴やで…」 「なんだか照れる」 「褒めてない!」
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