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「あの、失礼ですけど、俺、オカルト部には興味なくて・・・」
「いや、オカルト部じゃなくて!僕が言ってんのは、『全日本救霊協会牡丹支部』のこと!」
「全日本救霊協会牡丹支部って初めて聞いたんですけど。ホントに勘弁してください。」
「いやいや、勘弁できん。今までずっと一人で頑張ってきた俺の身にもなれって!絶対許さん!ここから出さん!」
「えぇ・・・何その逆ギレ。」
もうすぐ昼休みも終わろうかというのに、二人の話し合いは平行線を辿った。晃太郎もメリットを存分に盛り込んだプレゼンで力押しを計ったのだが、いかんせん翔介には救霊に対して現実味が無かった。
そこで、晃太郎はあるアイデアを閃いた。
「オーケー。わかったわかった。まぁ、いきなり救霊だ相棒だって話をしても、雲を掴むような話だわな。よし!んじゃとりあえず今から屋上へ行こう!」
「は?ちょっ、ちょっと!」
晃太郎はスックと立ち上がると、翔介の腕を掴んで走り出した。
「もう昼休み終わりますよ!」
「大丈夫だ!校長も日救協の会員だ!僕は学校内では自由が利く!」
「屋上は鍵が掛かってますって!」
「校内の全てのマスターキーを持ってる!」
新校舎の屋上入口まで全力疾走。鍵を開けると、ドタタっと二人して屋上へなだれ出た。
翔介は肩で息をしながらへたりこんだ。
「ちょっと・・・一体、なんなんスか・・・?」
「シッ。」
晃太郎は左手の人差し指を口に当てると、翔介にウインクして見せた。そして右手を空へ掲げ、ゆっくりと目を閉じた。
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