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不思議な気持ちだった。実際に霊がいて、霊を助ける人がいて、目の前にいて。今日は日記を書いてもいい気分だ、と、翔介は思った。
「すみません、色々ありがとうございました。それじゃあ、俺はこれで・・・」
「あー、ちょ、ちょ。翔介くん。まぁ、座りなさい。」
「はい?」
立ち上がり、帰ろうとした翔介を、晃太郎は手を伸ばし制した。
「君は元々、俗に言う『霊感』というのは持っていたのかな?」
ニコニコしながら、晃太郎が質問を投げかける。
「いえ、元々は全然。でも、三年前に事故に遭って・・・それからどうも少し。」
「三年前の事故?」
「ええ。俺の目の前で女の子が道に飛び出したんです。それで、咄嗟に身を投げ出して、身代わりになる形で事故に遭いました。」
「なるほどねぇ。ふーん。あ、そぅ。よしわかった!その制服を見るに、君はR高生だな!」
「は、はい。」
翔介は少したじろいだ。急に話題が変わるし、晃太郎がグイグイ前に出てくる。
「明日、昼休みに第二科学準備室に行きなさい!なーに、行けばわかる!きっといいことがある!そうだ。ここの払いは僕に任せなさい!なっ!」
一体なんなんだ。あと、俺は何も注文してないぞ。と、翔介は思いつつ、晃太郎に礼を言って喫茶店を後にした。
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