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旧校舎二階は空き教室と倉庫ばかりだった。必然、人がいることは少ない。
近い将来改築して、新しい科でも作るらしいが、今は放ったらかしの状態にある。
事実、翔介が第二科学準備室の前に来るまで、旧校舎内で誰も見かけなかったし、確かに不良の溜まり場になっていてもおかしくはないな、と思っていた。
「・・・まぁ、ちょっと覗いてヤバかったら逃げればいいか。」
ガラガラガラ・・・息を吸い込み、翔介は第二科学準備室の戸をゆっくり開けた。
「えっ?うわぁああ!ちょっ、ちょまっ!」
「・・・」
第二科学準備室の中には、なぜか尼崎晃太郎がいた。なぜか半ケツで。
いそいそとズボンを上げる晃太郎。顔は少し紅潮している。
「あのなぁ、ノックくらいしろよ!ど阿呆が!」
「・・・なんでケツ出してたんスか。」
「さっき体育だったから着替えてたんだよ!汗だくだったから、ここならパンツあったし!」
「でも、俺が昼休みにくることわかってましたよね。」
「なんだよ!僕が悪いのかよ!いいからこっち来て座れ!」
「はい・・・怒ってんスか?」
「怒るよ!ケツ出す主人公いんのかよ!」
とりあえず、晃太郎の言う通りに中に入り、翔介と晃太郎は机を挟んで座った。
第二科学準備室はかなり狭く、物だらけで、二人だけで手一杯といったくらいだった。それでいて、コーヒーメーカーやら、電子レンジやら、無駄に生活用品も溢れている。
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