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「さて、ようこそオカルト部へ。」
「オカルト部・・・っていうか、晃太郎さん、うちの学生だったんスね。」
「ん?ああ、黙ってて悪かったな。僕はここの三年生。君の先輩。昨日は制服着てなかったからな。」
いや、老けてたから気づかなかったんです。とは一年生の翔介の口からは言わないでおくことにした。
「今日来てもらったのは他でもない、どうも君の中に魂を二つ感じる気がするんだが、それをたしかめたくてな。」
「は?魂が二つ?」
急に言われても、翔介には意味が分からなかった。その口ぶりから、いや、常識的に考えて、一般的に魂というものは一人につき一つなのだろう。それが翔介には二つあると言い出したのだから、全くの意味不明だった。
「わからんだろう?わかるように教えてやろう。どうやら、君が阿呆を犯したのは今回だけじゃない。以前、女の子を助けたろう?調べたところ、あれも霊だ。」
「えっ!?じゃあ、」
「最後まで聞け。君は元々霊感があった。ただし、自分と波長の合う霊しか見えなかったんだ。そして女の子の霊とはバッチリ波長が合っちまった。生きてる女の子だと勘違いした君は霊と接触。君の助けたい気持ちと、女の子の霊の行き場のない悲しみが、重なり合ってドッキングした。簡単に言うと、君の中に女の子の霊を取り込んでしまったんだ。普通は体の中に霊がいると双方に多大なる影響が出る場合が多いのだが・・・平気?」
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