プロローグ

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平気?とは何を指すのか。そんな状態で体の方は平気?なのか、こんな突拍子もない話をして精神状態は平気?なのか。 「まぁ、特には。」 翔介は、おそらく前者だろうと割り切って返事をした。 翔介の言葉に、なぜか少し不満気な表情を覗かせる晃太郎。 「ほんとに?例えば毎晩女の子が夢に出てくるとか、例えば超能力が使えるようになったとか、例えば好き嫌いがガラリと変わったとか、ない?」 「・・・ないです。」 「・・・そうか。」と明らかにガッカリした様子の晃太郎に、翔介は多少の苛立ちを覚えた。 そんなことより、翔介には聞かねばならない事があった。 「で、どうやったら女の子の霊を体から出せるんですか?成仏ってやつをさせてあげたいんですけど。」 「あー、それね。実はね、無理。」 「無理?」 「正確には今は、無理。体内に取り込んだ霊を抜き出すってのは、そう簡単な事じゃなくてな。まぁ、でも消化しちまうこともないし、僕の仕事手伝いながら、ゆっくり考えたらいいさ。」 「はぁ・・・え?」 晃太郎の話の中に、聞き捨てならない言葉が交ざっていたような気がして、翔介は極ナチュラルに聞き返してしまった。 「だから、君が、僕の、手伝いをするんだよ。助手。ホームズとワトソンみたいな。いやいや、君には才能がある!強い正義感。類まれなる身体能力。見たところ霊力もありそうだ。安心したまえ!君を立派な霊能者にしてやろうじゃないか!」 晃太郎は一方的に話すだけ話すと、一仕事終えたとばかりにコーヒーを啜り出した。今の説明で翔介の勧誘は済んだものと思っているらしい。
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