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高校2年になり、俺が所属しているバスケ部も新体制、一二年が主体となって活動することになり、俺も、やっと念願のレギュラー入りできるようになった今年。何もかも順調に思える都市だと思ってた。が、それはあいつのせいでことごとく崩れ去ろうとしている。
「せーんぱいっ!」
うしろから俺を呼ぶ声がする。が、俺はそれにはもちろん答えてやらない。
「せんぱーいっ!無視しないでよぉ…」
あ、少ししゅんてなってる。もう、慣れたことだ。このくらいのことは見なくともだいたいわかるもの。
「日向先輩!俺もう怒りました… 後悔しないでくださいよ…」
すると、後ろからドンッ!という凄まじい音とともに俺の体に衝撃が走る。
「ッ…てぇ…」
どうやら、あいつ…片山といううざい後輩に真正面からアタックされたようだ。壁に頭を強打したらしい。普通に考えて、男子更衣室でアタックはないだろう… 頭がじんじんする。
「あぁっ!せ、先輩ごめんね?だ、大丈夫ですか?」
片山が急にアワアワしだして俺に必死に謝ってくる。頭を打ったからだろうか、片山から、犬の耳としっぽが見える…
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