青天の下

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雲一つない青い空。  春の心地良いそよ風に吹かれると、因数分解なんてものはどこへやらにか飛んでいってしまう。 あまりの気持ちよさに、俺は伸びをしながら、この陽気を広く浴びた。 こんないい天気に屋上に来ると、どんなに沈んでいてもあっという間に気分爽快だな。 こんな青空の下で暗い顔してるヤツなんて、バカに違いない。越後よりもバカに違いないだろう。 俺はチームメイトの中でも指折りのバカの顔を思い浮かべ、笑う。 あのアホ面よりもバカなら、それは大層なアホ面なのではないだろうか。 そんなヤツがいるなら見てみ・・・ 「く、くらっ」 しかし、目線を向けた先には、この空には似つかわしくない、暗い顔して俯く少女の姿が存在した。
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