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「さてっ…おしまいです。」
すべてを終えて速水さんは姿勢を正して、
私をまっすぐ見つめ、
「これで大丈夫だと思う。さっき点数の確認してきたけど
多分、処分も…さっき話した通りで通ると思う。
きちんと反省している様子もわかったので、
これからは気を付けて…頑張ってね。」
あんまりにも親切な様子に、
日常聞く警察官の不祥事とかなんて絶対にこの辺に無いって
思えた。
優しさにじんわりして、
涙が溢れそうになったけど
歯を食いしばって我慢した。
「ありがとうございました。ご迷惑…おかけしてすみませんでした。」
深く頭を下げて、立ち上がり、
速水さんの開けてくれた扉から出る時に
もう一度会釈して通り過ぎた。
「気を付けて歩いて帰ってね。」
笑って言われたから、作り笑いだったけど
必死で笑顔を作った。
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